火傷

火傷は日常生活において最も多い外傷の一つであり、熱に接触することで起こる皮膚の損傷をいいます。

熱の温度と接触した時間によって損傷の程度が決まります。
熱源が高温の場合、短時間の接触で熱傷を起こします。
熱湯や火炎などで生じるものです。
また、40度前後の低温の熱源に長時間接触した場合も熱傷になり、これを低温火傷と言います。携帯カイロ、電気あんか、ホットカーペットなど短時間の接触では熱傷を来さない程度の温度の熱源でも、長時間接触することで皮膚が損傷してしまいます。

受傷時には浅い熱傷と思われても、時間とともに悪化することがあり、注意が必要です。
特殊な火傷としては、化学損傷(酸やアルカリによる皮膚の損傷)や、電撃傷(電流による組織の損傷であり、皮膚のみならず神経・血管・筋肉などにも損傷が及ぶ)などもあります。
皮膚の機能は、私たちの体内に菌が侵入するのを防ぎ、水分や体温を保持することです。
火傷を負うとこの機能が失われ、ひどい火傷では、感染症や、血圧・体温低下などの合併症を引き起こすこともあります。

熱傷は、損傷した皮膚の深さによって度数で評価されます。

Ⅰ度熱傷
Ⅰ度の火傷は表皮のみの火傷です。皮膚が赤くなり、痛みが生じます。
通常数日のうちに傷跡なく治ります。

Ⅱ度熱傷
Ⅱ度の火傷は表皮だけでなく、真皮にまで及んだ火傷です。
外見上は水泡形成しています。
Ⅱ度の火傷はその深さによりⅠ度に近い浅いものと、Ⅲ度に近い深いものに分けられます。痛みが強い時は浅い火傷、痛みが弱い時は深い火傷であることが多いです。
Ⅱ度の浅い火傷は傷あとを残さず治癒します。
一方Ⅱ度の深い火傷は傷あとが残ることが多く、治療期間は範囲によるが、1〜4週間ほどかかります。

Ⅲ度熱傷
Ⅲ度の火傷は表皮、真皮のみならず脂肪・筋肉といった皮下組織にまで火傷が及んでいる状態です。
神経や血管も火傷でやられているため、痛みの感覚もありません。手術や専門的な治療が必要になり、1か月以上の治療期間を必要とすることも少なくありません。傷跡が残ることが多いです。
また皮膚の深さだけでなく、面積も測定し、評価します。
火傷は広範囲であればあるほど重症であり、正確に面積を判定する必要があります。
面積の判定法は、大人では9の法則、子供では5の法則というもので測定します。
火傷部位が数カ所に分かれて分布している場合には、手掌法(てのひらの面積を全身の1%として計算する方法)が用いられます。

Ⅱ度熱傷が15%以上、Ⅲ度熱傷が2%以上にあると中等症以上とされ、入院治療が必須となります。
深度II度以上の火傷を、大人では全身の20%以上、子どもは10%以上負うと、広範囲のやけどとみなされ、合併症などを引き起こす危険があり、注意が必要です。
火傷の治療方法としては、I度熱傷は自然に治ることもあります。炎症を抑える副腎皮質ホルモン(ステロイド)の入った軟こうが効果的です。
深いII度熱傷やIII度熱傷では、傷跡が残る場合が多く、軟こうや創傷被覆材による治療を行います。また皮膚を移植する手術が必要となる場合もあります。熱傷の範囲が広い時には命に関わる熱傷ショックを起こすこともあり、点滴治療が必要です。
そして、傷跡が盛り上がり、肥厚性瘢痕やケロイドという状態を呈することや、関節などでは瘢痕拘縮(ひきつれ)を生じると機能的障害を伴うこともあります。
治療方法としては、滲出液が出なくなり皮膚ができた後に、副腎皮質ホルモンテープ剤などを使します。
また、拘縮が高度の場合は手術が必要になります。
火傷の治療後に色素沈着が残ることもありますが、時間経過ともに薄くなっていくことが多いです。

これらの治療で多くの火傷痕は目立たなくなってきますが、傷痕に色素沈着が起こり、
長い間残ってしまう方も少なくありません。
そんなお悩みに対して、医療アートメイクでの火傷痕カモフラージュをご提案します。
火傷痕へのアートメイクは、医療アートメイクの技術を用いて、
傷痕の色素沈着している部分を周りのお肌の色調と馴染ませることで
色ムラを目立たなくすることが目的の施術です。

・火傷痕のケロイドは完治したが色素沈着が残ってしまった
・傷痕をすこしでも薄くして目立たせなくしたい
このようなお悩みをお待ちの方は、ぜひ一度ご相談ください。
カウンセリングを通して、患者様の不安や疑問点を取り除き、安心して施術に臨んでいただけるように努めてまいります。

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